第2回 だんご焼き

だんご焼きは、今は大人が準備から全部やっているが、昔は、全
部、子どもだけでやっていた。ご神木の竹も、太い竹を切って穴を
掘って立て、周りの粗朶(そだ)も自分たちで全部用意した。今の
よりよっぽどきれいで立派だった。昔の子供は、家の手伝いでいろ
いろなことを仕込まれていたので大抵のことはこなせた。場所は、
扇橋の新しい住宅が建っている付近でやっていた。昔は山が近かっ
たので、火の粉の監視のために山にも何人か配置した。ある年、海
軍の兵隊の指導官みたいな偉い人だった大貫百里さんが、たまたま
、この時期に帰ってきて、われわれ子どもたちのためにお小遣いを
置いていってくれたことをよく覚えている。この行事は、戦争中も
、戦後も途切れずやったと思う