第4回 お地蔵さん

今回は、大沢と龍沢の入り口あるお地蔵さんです。10体ありますが、風化が激しくて2体については特定ができません。ほかの8体もお地蔵さんのお姿はかすかにわかりますが、文字は全く読めません。向かって2番目のお地蔵さんだけ、文化十と読めます。文化10年とすれば、西暦では1810年の建立となります。風化が激しいのは、酸性雨、太陽光線が強くなったことのほか、町田市周辺の石造物は、厚木市七沢の七沢石が多く使われていることも原因と考えられます。七沢石は道具のつきが良く細工しやすいが構造的な耐力がなく、風化が進み易いといわれています。

お地蔵さんは、お釈迦様がなくなって、次の救い主の弥勒菩薩が現れるまでの間(56億7千万年後)、人々を救うほか、火除け、盗難除け、病気平癒など庶民のあらゆる願いを叶えてくれる仏様で、町田市では260体と最も多く造られた石造物です。また、道祖神信仰と結びつき、村はずれや辻に「村の結界の守護神」として建てられることが多くありました。大龍のお地蔵さんもまさに、あの場所で大龍に入ってくる疫病神や悪霊を防いでくれています。風化で崩壊する前に、小屋掛けをして守っていきたいものです。